鳩よけコラム
鳩は愛らしい姿をしているものの、住宅に住み着いてしまい、ベランダなどに巣を作ってしまうことがあります。鳩が巣を作ってしまった場合、すぐに駆除できると考えてしまうかもしれません。しかし、鳩が作った巣は無断で駆除できません。これは市役所や保健所であっても同様です。
今回は、鳩の巣駆除を市役所や保健所に依頼できるのかどうか、自分で対処する方法などを紹介します。
鳩が自宅のベランダなどに巣を作ってしまった場合、鳩の巣駆除を市役所や保健所に依頼することはできません。市役所や保健所が駆除に対応していないのは、鳥獣保護法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)で鳩の捕獲や鳩駆除が禁じられているためです。同法では卵や雛の駆除も対象になります。また、同法は一般人の行動を制限するだけではありません。市役所や保健所といった行政機関による鳥駆除も認めていません。
鳥獣保護法の定めに反して鳩の巣を駆除した場合、次のような罰則が科せられる可能性があります。[注1]
[注1]環境省「鳥獣の違法捕獲の防止」
https://www.env.go.jp/nature/choju/capture/capture2.html
鳥獣保護法では鳥獣を捕獲または殺傷すること、鳥獣の鳥類の卵を採取または損傷することを禁止しています。しかし、鳥獣保護法は次の2つのケースで例外的に鳥獣の捕獲や殺傷を認めています。
狩猟による捕獲は狩猟免許を所持して狩猟者登録を受けている場合のみ、狩猟期間中に狩猟が認められます。一方、許可による捕獲は生活環境への被害などを理由に申請することで捕獲が認められます。
鳩が作ってしまった巣の駆除は野生動物を保護する法律に抵触する恐れがあるため、市役所や保健所では対応していません。そのため、先述のとおり許可による捕獲として、適切な手続きを経て自分で駆除を検討してみましょう。
自分で鳩の巣を駆除するためには、住んでいる地域の市役所に駆除の申請が必要です。役所に駆除申請する場合、次のようなステップで進んでいきます。
鳩の巣を駆除するために、どのような書類が必要になるのかは自治体によって異なります。例えば、東京都に申請を出す場合、代表的な必要書類は次のとおりです。[注2]
まずは住んでいる地域はどのような書類の提出が必要なのかをホームページで確認しましょう。漏れがあっては審査までに多くの時間がかかってしまいます。なお、鳥獣捕獲許可等申請書はホームページからダウンロードできるのが一般的です。
[注2]東京都環境局「野生鳥獣の捕獲について」
https://www.kankyo1.metro.tokyo.lg.jp/archive/nature/animals_plants/birds/capture.html
必要書類を提出したら、書類の情報に基づいて審査が行われます。審査基準は捕獲する鳥獣の種類や捕獲方法などです。鳩の巣駆除の申請をした場合、ポイントになるのが申請者が狩猟免許を取得しているかどうかです。狩猟免許未取得の申請者は審査で許可が下りない可能性があります。
また、審査には一定の時間がかかるため、許可を待つ間に鳩による被害が拡大しかねません。そのため、巣の駆除の申請は余裕を持って行いましょう。
審査に通過すると許可証が発行されます。発行された許可証は駆除作業を進めるために欠かせないため紛失に注意しましょう。なお、自治体によっては申請時に発行する受理証と許可証を引き換えるケースがあります。
例えば、東京都の場合は申請時に発行された受理証と引き換える必要があります。受理証と引き換えになるのかは、申請書類のチェック時にあわせて確認しておきましょう。
許可書を受け取って鳩の巣を駆除したら、役所の窓口に完了報告が必要です。
鳩の巣を自分で駆除する場合、さまざまな書類を用意しなければなりません。そのため、多忙で書類を準備できないという人もいるでしょう。また、自分で鳩の巣を駆除したくないという人もいます。このようなケースでは、鳩の巣駆除に精通している業者に依頼するのがおすすめです。
具体的には次のような方法で進めていきましょう。
専門業者に依頼するのであれば、最初に見積もりを依頼して費用を把握しておきましょう。駆除にどのくらいの費用がかかるのかは業者によって異なります。また、同じ業者であっても被害状況や被害範囲、駆除方法、駆除に関わる作業員の人数などによって費用は変動します。そのため、見積もりを依頼して予算を把握しておきましょう。
鳩による被害範囲が広いと費用が高くなるのが一般的です。被害範囲が広いと使用する鳩よけネットの大きさや忌避剤の量が増えるためです。
鳩がどこに被害をもたらしているかによっても費用は変動します。例えば、屋根の上に巣を作ってしまっている場合には高所作業が必要になるため、費用は高くなる傾向にあります。
住まいが賃貸の場合、自身で業者に依頼する前に管理会社へ相談してみましょう。例えば、ベランダに鳩が巣を作ってしまった場合、共用部分であるため管理会社が対応する可能性があります。しかし、管理会社が対応してくれないケースもあるため、契約書や規約にどのように定められているかを確認しましょう。
契約書や規約に定めがなかったとしても次のようなケースであれば、管理会社による対応が期待できます。
契約書や規約に定めがない場合でも、交渉次第では管理会社が対応してくれる可能性があります。交渉にあたっては写真の準備など、次のような方法を試してみましょう。
鳩の巣の駆除に対応する業者はいくつもあります。そのため、鳩が作った巣の駆除をプロに依頼する場合、次のようなチェックポイントを確認してみましょう。
鳩の巣駆除を専門としている業者に依頼する場合、自宅が対応しているエリアかどうかを確認しましょう。検索エンジンで「住んでいる地域名+鳩の巣駆除」で検索することで、対応エリアを確認可能です。対応エリアであれば、相談から駆除までスピーディに対応してくれるケースもあります。
住んでいる地域に対応している業者を検索すると、多くの業者が掲示されるでしょう。その中から依頼先を選ぶのであれば、過去の実績を確認するのがポイントです。公式ホームページに実績が掲載されているケースもあれば、口コミサイトなどに利用者の口コミが掲載されているケースもあります。過去の実績が豊富な業者であれば、高い施工技術が期待できるでしょう。
鳩の巣駆除を専門業者に依頼するのであれば、複数の業者に相見積もりを依頼するのがポイントです。依頼先を3社ほどに絞り、それぞれの業者に見積もりを依頼します。相見積もりを依頼することで、適切な費用相場を把握可能です。
相見積もりを依頼する際に注意すべきなのが、見積もり後にキャンセルした際、キャンセル料を取る業者があるということです。余計な出費を抑えるために、見積もり前にキャンセル料などを確認しておきましょう。
また、相見積もりを取る際は同じ条件で見積もりを依頼しましょう。依頼内容にバラつきがあると見積もりの比較が困難になります。それぞれの業者に相見積もりであることも伝えてみましょう。相見積もりであることを伝えれば、他社よりも価格を抑えようと価格調整が期待できます。
見積もりを依頼した場合、内訳を明記している業者を選びましょう。業者によっては見積もり費用の概算だけが記載されていて、何にどれくらいの費用がかかるのか内訳を記載していないケースがあります。このような業者の場合、適切な費用を明示していないかもしれません。
また、見積もりを書類として提示せず、口頭のみで説明する業者への依頼も避けましょう。
鳩には帰巣本能が備わっているため、一度巣を駆除したら再び訪れないとは限りません。巣を駆除した後に効果や変化をチェックする必要があります。
そのため、巣を駆除した後のアフターフォローがあるかをポイントに業者を選びましょう。業者によってはアフターフォローを用意していないケースがあります。また、アフターフォローを設けない代わりに見積もりを抑えている業者もあるでしょう。
鳩の巣を駆除するときは、次のような点に注意しましょう。
鳩の巣駆除を行うときは鳩のフンを掃除しておきましょう。鳩のフンを放置していると鳩は安心できる場所と思い居座ってしまいます。また、鳩のフンは健康にも影響を及ぼしかねません。そのため、早めに鳩のフンをベランダから取り除きましょう。
鳩のフンを掃除するには、次のような道具を用意しておきます。
鳩のフンはすぐに乾燥してしまうため、新聞紙やキッチンペーパーを被せてぬるま湯をかけることでふやかせます。その後、新聞紙やキッチンペーパーごと鳩のフンを拭き取りましょう。この際、鳩のフンの汚れが広範囲に広がっていたり、こびりついていたりする場合、デッキブラシやタワシでこするのが有効です。
鳩のフンを取り除いたらエタノールスプレーで消毒しましょう。なお、取り除いた鳩のフンや使用した道具は、ビニール袋に入れてしっかりと口を閉じておくことで、万が一の二次被害を防止可能です。
鳩のフンを放置していると鳩の飛来や健康被害につながるだけではありません。鳩のフンを放置することで建物の劣化につながります。鳩のフンは酸性のため、建物の部材を変色などの劣化を促進してしまうでしょう。また、建物の美観を損ねる原因になります。
鳩の巣を駆除する際は適切な装備で対応しましょう。鳩はおとなしいイメージに思われるものの、縄張りに対して強い執着心を持っています。そのため、巣を駆除しようとすると執拗に攻撃してくる可能性があります。鳩による執拗な攻撃に備えるためにも、次のようなアイテムを装着しておきましょう。
鳩には帰巣本能が備わっています。そのため、巣を駆除したとしても再びベランダを訪れる可能性があるでしょう。鳩には帰巣本能があることを理解して、再び寄り付かせない次のような対策を講じることが大切です。
鳩よけ対策として有効なアイテムが専用の剣山です。鳩よけ剣山は大きく樹脂製と金属製に分かれます。このうち樹脂製は費用が抑えられるものの耐久性に劣る傾向にあります。一方、金属製は高い耐久性があるものの費用はかさんでしまうのが一般的です。樹脂製、金属製それぞれにメリット、デメリットはあるものの、雨風にさらされることを踏まえると、耐久性の高い金属製がおすすめです。
鳩よけネットとは鳩が侵入してこないように設置するネットです。鳩よけネットを設置すれば、鳩はベランダに侵入するどころか手すりに止まることもできなくなります。
鳩よけネットを設置する際は素材や網目の大きさに着目しましょう。例えば、難燃剤が含まれているネットであれば、万が一火災になった際に燃焼を加速させるリスクを抑えられます。また、網目が細かい鳩よけネットは景観を損ねる可能性があります。そのため、鳩が入り込めないギリギリの網目の鳩よけネットを設置しましょう。
忌避剤とは鳩が寄り付くのを防ぐアイテムです。忌避剤は大きく次のような種類があります。
それぞれのタイプによって使用方法が異なるため、説明書に沿って使用しましょう。使用方法を守らずに用いると、期待した効果が得られない可能性があります。
鳩よけには電気ショックを用いるケースもあります。ベランダの手すりに設置したワイヤーに電気を通すことで、鳩に電気ショックを与えることが可能です。鳥獣保護法において、鳩に危害を加えることは禁じられています。しかし、鳩よけ用の電気ショックの場合、微量な電気のため鳩に危害を加える心配はありません。
電気ショックは鳩よけとして大きな効果を期待できるものの、設置には専門的な知識が求められます。
鳩が嫌がる音波を発生させることで鳩よけが可能です。鳩が嫌がる音波とは20KHz以上の人には聴き取れない高周波の超音波です。超音波を発生させることで鳩の平衡感覚を乱し、仲間同士の意思疎通を妨害することができます。
しかし、超音波による鳩よけの効果は持続しにくい傾向にあります。
鳩による被害は一律ではありません。鳩による被害は、次のとおり1から4までのレベルに分けられているのが一般的です。
数字が増えるにつれて被害は深刻化していき、それぞれのレベルに応じた対応が求められます。例えばレベル4の段階でレベル1の対策を講じても効果は期待できないでしょう。
鳩の巣駆除に取り組む場合、被害に遭いやすい場所を把握しておくこともポイントです。例えばベランダの中でも室外機の裏は狭く温度が高いという、鳩が好む要素が揃っています。また、ベランダが電柱に近い場合も注意が必要です。電柱には鳩が集まるため、ベランダが近いと居つかれる可能性が高まるでしょう。
鳩の巣を自分で駆除するのが難しい場合、専門的な知識を持つスタッフが在籍する「鳩よけ対策PRO」へご相談ください。「鳩よけ対策PRO」は一戸建て住宅はもちろん、マンションや工場、公共施設など、さまざまな場所の鳩よけに対応しています。巣の駆除だけでなく、フンの掃除、飛来防止もご依頼いただけます。
「鳩よけ対策PRO」は各地に独自のネットワークを展開しているため、地域によっては最短30分での現地調査も可能です。
鳩の巣駆除を市役所や保健所に依頼しても、鳥獣保護法の観点から作業を進めてくれません。自分で必要な手続きを経ることで駆除できるものの、審査に通過しない恐れもあるでしょう。そのため、自分で鳩の巣駆除をするのが難しいといった場合は専門業者に依頼するのがおすすめです。
依頼する際は見積もりを取って適切な価格を把握したうえで、実績やアフターフォローの有無を確認しましょう。また、巣を駆除した後には適切な方法で鳩が寄り付かないようにすることが大切です。
「鳩よけ対策PRO」は専門的な知識を持った実績豊富な技術者が施工を担当します。現地調査、見積作成にも無料で対応しているため、鳩の巣でお悩みの方はぜひご相談ください。
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