明日香村島庄の鳩よけ対策事例
大型連休の終わり際、日が落ちる直前のことでした。部屋の窓を開けても寒さを感じない、ちょうどいい気温の中、一本の電話が入りました。電話の向こうからは、語尾が上ずる心ここにあらずな雰囲気のお客様が、「正体不明の羽毛や糞の残骸が散乱して、片づけが終わらないんです」とお困りの様子で訴えてこられました。場所は明日香村島庄。迅速に対応すべく、私たちは数名のチームを組んで現地に向かいます。
しかし、到着までの道のりは順調とはいきませんでした。突然の事故で通行止めになり、迂回を余儀なくされたのです。それでも何とか1時間弱で現地に到着しました。そこには、40代前半くらいの角刈りが特徴的な男性のお客様が待っており、倉庫の中を案内してくださいました。
倉庫を覗くと、そこには予想以上に複雑な被害状況が広がっていました。羽毛や糞があちこちに散らばり、その主であるベニバトたちは、悠然とその場を占拠しているのです。ベニバトは鮮やかな赤みを帯びた羽毛が特徴で、都会よりも自然豊かな場所に生息しています。普段は大人しいのですが、こうして倉庫に住み着いてしまうと、厄介な存在になりがちです。
作業は慎重さが求められるものでした。ベニバトは人に対して攻撃性はありませんが、その警戒心の強さから、無理に追い出そうとすると逆効果になることもあります。私たちは、彼らを傷つけることなく自然に立ち去ってもらうよう、環境を整える作業に取り掛かりました。
作業環境が厳しく、慎重な対応が必要だったため、処理には2時間ちょっとかかってしまいました。しかし、無事に作業が完了し、倉庫は元の静けさを取り戻しました。対応後、お客様は安堵の表情を浮かべ、「さすが専門家ですね。すごい技術でした。」とおっしゃってくださいました。私たちもお客様の安心した様子を見て、ほっと胸をなでおろしました。
今回の作業を通じて、改めて自然環境と共生することの難しさを感じました。ベニバトたちもまた、生活の一部として存在しているのです。このような現場での経験を積むたびに、私たちはより良い対応策を模索し続けています。
お客様が満足される姿を見られるのは、やはりこの仕事の醍醐味です。今後も地域の方々のお役に立てるよう、日々努力を重ねていきたいと思います。皆様の安心をお守りするために、これからも精進してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。