川越市栄の
鳩よけ対策事例

桜が散りゆく四月の終わり、じんわりとした暖かさが心地よく広がる午後のことでした。いつものように静かに時を刻む中、一通の電話が舞い込んできました。受話器の向こうからは、少し口ごもるように尻すぼみになる話し方で、困り果てた様子のお客様の声が聞こえてきました。鳩が巣を作り、巣立ちを待たずに撤去することが難しいため、被害が長期化しているとのこと。場所は、川越市栄のとある工場内。その声は、どこか胸に響くものがありました。

連絡を受け、私たちはすぐに駆除の準備を整え、現場へと向かいました。しかし、道路は工事の影響で混雑し、思うように進むことができません。それでも約30分強をかけ、ようやく目的地に到着しました。私たちを出迎えてくれたのは、黒髪のショートカットが印象的な40代後半の女性。彼女の笑顔には、どこか安堵の色が見え隠れしていました。

現場は工場内のケーブルラックスペース。そこに巣を構えていたのは、カラスバト。彼らは、深い森の緑を思わせるような黒ずんだ羽を持ち、その瞳にはどこか物憂げな輝きがあります。今回の被害は思ったよりも軽微であったものの、足場が不安定なため、慎重に作業を進める必要がありました。同行した2人の作業員と共に、私たちはゆっくりと、しかし確実に作業を進めていきました。

約1時間半以上の作業を終え、無事に駆除を完了。作業後、お客様は笑顔で手を振りながら見送ってくださいました。「本当にお世話になりました。大変だったでしょう。」と、感謝の言葉を述べられ、その表情には安堵と喜びが溢れていました。その言葉に触れ、私たちの胸の中にも温かいものが広がりました。

作業を終えた後、私は改めて感じました。鳩たちは、ただ生きるためにそこに巣を作り、私たちはその生活圏を守るために駆除を行う。自然と人間の共存は時に難しいものですが、こうして一つずつ解決していくことで、少しでもお客様の安心を取り戻す手助けができればと思うのです。

今後もお力になれるよう努めてまいります。私たちの役割は、単なる駆除作業にとどまらず、お客様の安心と快適な生活を支えるものでありたいと、改めて心に誓うのでした。